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交響曲はベーレンライター版を使っています [演奏曲紹介]

PROJECT Bの演奏会において、交響曲は「ベーレンライター版」の楽譜を使用しています。
また、ピアノ協奏曲では「ヘンレ版」を使っています。

【ベーレンライター版の交響曲第4番弦楽器パート譜】
img_ベーレンライター201312.jpg

「ベーレンライター(Bärenreiter)版」は、イギリスの指揮者兼音楽学者、ジョナサン・デルマー(Jonathan Del Mar) が資料などに基づき校訂した新しい版で、1990年代に相次いで出版されました。

ベートーヴェンのオーケストラ曲については、19世紀に出版されたドイツのブライトコプフ社のものが広く使われてきました。
しかし、20世紀後半、新たな資料の発見などによって、細かな間違いの訂正や、音符の手直しが行われました。

例えば、PROJECT B 2013で演奏した交響曲第5番(「運命」)の場合、2ndヴァイオリンの音が1オクターブ低いなど、かなりの違いがみられます。
もちろん、曲の偉大さ・素晴らしさに変わりはないのですが…。

なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか?
(楽譜研究の専門家ではないので、説明が不十分かもしれませんが…)
例えば、以下のようなことが考えられるようです。
▽ベートーヴェンの自筆が見にくくて判別できず、写譜の際に間違って書き写した
▽ベートーヴェンが省略して書いた部分を間違って解釈した
▽写譜した人物が独自の解釈で(勝手に)書き加えた
▽出版社が(多くの場合親切心で)ベートーヴェンの意図しない書き込みを印刷に取り入れた

こうした「ベートーヴェンのの意図と違う出版譜」が、その後、新たに見つかった資料などに基づき「正しく」直す、ということが行われているわけです。


ところで、1980年代ごろから盛んになったいわゆる「ピリオド演奏」では、この新たな校訂版を使うことが多いようです。

PROJECT Bでは、「ピリオド奏法」を取り入れているわけではありませんが、最近の研究成果に基づき、可能な限り「楽譜に忠実」な演奏を目指しています。
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